空亡(くうぼう)とは、「天の気が空(むな)しく亡(な)い」と書くように、天からの後押しが一時的に届きにくくなる時期を指します。四柱推命の基盤となる六十干支の仕組みに由来する考え方です。
六十干支は、10個の「天干(十干)」と12個の「地支(十二支)」を順に組み合わせて作られます。10と12の組み合わせでは、10個の天干が一巡するたびに2つの地支が天干と対になれず余ります。この「対を持たない2つの地支」が空亡です。
空亡は「悪い時期」ではありません。外からのサポートが弱まる分、自分自身の内面と向き合うのに適した時期と捉えるのが現代的な解釈です。準備や内省に充てることで、空亡が明けたあとにスムーズなスタートを切れるとされています。
空亡は古くから恐れられることもありましたが、現代の四柱推命では「再調整の時期」として前向きに捉えられています。無理に動かず、自分を見つめ直す充電期間として活用する方が増えています。
六十干支は10個ずつ6つのグループ(旬)に分かれます。それぞれのグループで余る2つの地支が、そのグループに属する人の空亡となります。
| 旬(グループ) | 空亡の地支 |
|---|---|
| 甲子〜癸酉 の旬 | 戌・亥 |
| 甲戌〜癸未 の旬 | 申・酉 |
| 甲申〜癸巳 の旬 | 午・未 |
| 甲午〜癸卯 の旬 | 辰・巳 |
| 甲辰〜癸丑 の旬 | 寅・卯 |
| 甲寅〜癸亥 の旬 | 子・丑 |
各グループの最初の干支(甲子、甲戌など)から数えて、天干が一巡する10番目までに含まれない地支が空亡になります。
空亡は、命式の中の「日柱(にっちゅう)」によって決まります。日柱とは、あなたが生まれた日の干支のことです。
まず、ご自身の日柱がどの旬(10個ずつのグループ)に属するかを確認します。そのグループで余る2つの地支が、あなたの空亡です。
たとえば日柱が「丙寅(ひのえとら)」の場合、甲子〜癸酉の旬に属するため、空亡は「戌・亥」となります。
手計算でも求められますが、もっとも簡単な方法は命式計算ツールを使うことです。生年月日を入力するだけで、空亡を含む命式全体を確認できます。
空亡の地支が、巡ってくる年や月の地支と一致する時期が「空亡期間」です。年単位では2年間、月単位では年に2か月ほど該当します。この期間を前向きに活用するヒントをご紹介します。
新しいことを始めるよりも、次のステップに向けた準備や計画を練るのに適した時期です。情報収集やリサーチを丁寧に行うことで、空亡が明けたあとの行動がよりスムーズになります。
外からの後押しが弱まる分、自分の内面に意識が向きやすくなります。日記を書く、これまでの歩みを振り返るなど、自分自身を見つめ直す時間として活用してみてください。
空亡期間は、知識やスキルを蓄える時期として最適です。資格の勉強、読書、新しい分野の学習など、自分の土台を固めることに時間を使うと、のちに大きな財産になります。
周囲との関係を改めて見つめ直す良い機会です。無理に広げるよりも、今ある大切なつながりを丁寧にケアすることで、信頼関係がより深まります。
焦って重要な決断をする必要はありません。もし大きな選択が迫られている場合は、十分な情報を集めたうえで、冷静に判断することを心がけましょう。急がなくても大丈夫です。
空亡は不幸が訪れる時期ではありません。外からの追い風が弱まるだけで、自分の力で歩む時期と考えるのが自然です。むしろ、自分の本来の実力を確認できる時期とも言えます。
空亡期間だからといって、何もかもを控える必要はありません。仕事も家事も趣味も、いつも通りに過ごして問題ありません。過度に気にしすぎないことが大切です。
「空亡中は結婚や転職をしてはいけない」と言われることがありますが、絶対的な禁止事項ではありません。いつもより慎重に検討する時期、という程度に捉えてください。十分に考え抜いた結果であれば、空亡中の決断も大切にしてよいものです。